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ソーシャルコンシェルジュ

身近な方や親が亡くなったときの手続きの流れを、1時間でざっとわかるようにお伝えします。

認知症かな? と思ったらどうすればいいか

認知症とは

 

■認知症と物忘れはどうちがう?

 

 

最近、好きな芸能人の名前がでてこないことがよくあります。

顔ははっきりと思い出せるし、名前も覚えたはずなのに出てこないのです。 

 

 

年とともに脳も変化していて、

物忘れが増えたり

新しいことが覚えにくくなったりするようです。

 

 

とはいえ、まだ自分は認知症ではないだろうなとも思います。

 

 

なぜなら、

まだ忘れたという記憶や自覚、認識があるからです。

 

  

 

■軽度の認知症か?

 

 

忘れたことを覚えているうちは認知症ではない、

と思って安心したいところですが、

 

ただ気をつけなければいけないのは、

軽度認知障害(Mild Cognitive Impairmaent )

という段階もあるようですね。

 

 

軽度認知障害は、

自他共に物忘れがすすんできたことを認めていて、

記憶力は明らかに低下しているものの、

日常生活は問題なく送れるという状態です。

 

 

日常生活が保たれるので問題ないともいえますし、

軽度認知障害(MCI)の方がアルツハイマー型認知症になる確率というのは、

一般高齢者の約10倍というデータもあるため、

いわゆる予備軍ともいえるわけです。

 

 

つい先日も、ごく簡単な暗算をうっかり間違えてしまい、

愕然としましたが、少し認知症のことを学んでみたいと思いました。

  

 

 

■認知症には種類がある

 

 

 

調べてみるとすぐに、

認知症にも種類があることがわかりました。

 

 

それぞれの特徴を知ることは認知症の方への理解を深めますし、

適切な方針の検討にもつながります。

 

 

認知症にはよく知られているものだけでも、

 

1 アルツハイマー型認知症

2 脳血管性認知症

3 レビー小体型認知症

4 前頭側頭型認知症

 

の少なくとも4種類があります。

 

 

 

まず数も最も多いタイプであり、

認知症のうちの約50%を占めるといわれるのが、

アルツハイマー型認知症です。

 

 

たんぱく質の一種、

アミロイドβ蛋白が脳の神経細胞に絡まり、

線維化させてしまい、脳神経細胞が減少することによって、

脳のはたらきを低下させてしまうものです。

 

 

アルツハイマー型は

高齢期の女性に多く発症するという特徴があります。

 

 

 

「脳血管性認知症」というのは、

その名のとおり、

脳梗塞などによる脳血管障害が原因で起きる、

認知機能の低下です。

 

 

こちらは男性に多いといわれますが、

脳内で小さな出血がおきると、

脳神経が障害されて、

それによりさまざまな認知症の症状がでてしまいます。 

 

 

「レビー小体型認知症」は、

神経細胞の変性によって起こります。

アルツハイマー型に似ていますが、

男性のほうがなりやすく、

発症率が女性の2倍といわれています。

 

 

「レビー小体」とは

神経細胞に特殊なたんぱく質ができて変性するもので、

これが大脳皮質や脳幹にあつまって伝達を悪くすることで、

症状がでます。

 

 

特にこのタイプは「幻視」が起きることで知られ、

本人にだけたとえば虫や人などが見えるといいます。

本人には人がはっきりとみえ、話しかけたりすることもあるそうです。

プライドを傷つけないよう、否定せずにケアをしていくことが必要になります。

 

 

また、筋肉がこわばる、ふるえるといった

パーキンソン病に似た症状が挙げられます。 

 

 

「前頭側頭型認知症」とは、

脳の前頭部、側頭部が萎縮してしまうことによる認知症で

数は少ないものの若い人でも発症することが特徴です。

 

 

前頭葉は物を考えたり、

感情をコントロールするといった、

人間の社会的、理性的な行動を担当している場所です。

 

 

感情、意思、行動という、

いわば人間らしさのつまった部分なのですね。

 

 

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そして側頭葉は、

言葉を理解したり、記憶したりする場所で、

聴覚や嗅覚も担当しています。

 

 

前頭葉が萎縮してしまうと、

社会性や抑制を発揮しにくくなりますから、

反社会的行動をとったり、身勝手な振る舞い、

意欲減退、無関心といった

人格の変化がおこります。

 

 

行動が不可解に変わってしまい、

周囲を困らせるような症状が多くみられるようです。

 

また、側頭葉という言語的な能力に関する部分が萎縮すると、

言葉の障害(同じ言葉をくりかえしたりする)、

といった症状が出てくるわけです。

 

 

■認知症かどうかはどうしてわかる?

 

 

周りが異変を感じて、

「おかしいな」と思っても、

本人やご家族に「認知症ですか」とは聞きづらいですね。

 

 

具体的にどう対処していいかは

よくわからないことが多いのではないでしょうか。

 

 

もちろん医学的には判定の方法があり、

認知症の診断方法として、

長谷川式やMMSEといった認知機能テストがあります。

 

 

ただやはり発見の多くは日常における変化であり、

一般の私たちが異変に気がつくことが最初なのです。

 

 

そこで医学的な診断ではありませんが、

早期発見の目安となるような、

より簡便なチェックシートも提案されています。

 

 

ここでは、

公益社団法人認知症の人と家族の会のホームページより、

チェックシートを引用してご紹介します。

あてはまるところがあれば、

専門医の診断をすすめるなど専門家のアドバイスを求めるべきでしょう。

 

 

ーーーーーー

●もの忘れがひどい 

□1 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる

□2 同じことを何度も言う・問う・する

□3 しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている

□4 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う

●判断・理解力が衰える

□5 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった

□6 新しいことが覚えられない

□7 話のつじつまが合わない

□8 テレビ番組の内容が理解できなくなった

●時間・場所がわからない

□9 約束の日時や場所を間違えるようになった

□10 慣れた道でも迷うことがある

●人柄が変わる

□11 些細なことで怒りっぽくなった

□12 周りへの気づかいがなくなり頑固になった

□13 自分の失敗を人のせいにする

□14 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた

●不安感が強い

□15 ひとりになると怖がったり寂しがったりする

□16 外出時、持ち物を何度も確かめる

□17 「頭が変になった」と本人が訴える

●意欲がなくなる

□18 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった

□19 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった

□20 ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる

 ーーーーー

公益社団法人認知症の人と家族の会ホームページより引用しました。)

  

 

■実は物忘れだけではない 認知症のさまざまな症状

 

 

認知症というと、

ボケるとか、なんでも忘れる病気かな?

ととらえがちですが、

 

 

チェックリストをみてもわかるとおり、

物忘れなどの「記憶障害」というのは

認知症の「中核症状」のひとつにしかすぎません。

 

 

 中核症状とは認知症のいわばベースであり、

記憶障害、実行機能障害、失行、失語、失認

などがあります。

 

 

■中核症状とは?

 

 

「実行機能障害」とは、

判断力が低下することをいい、

段取りや、計画が立てられなくなり、

なにかを成し遂げることが困難になります。

 

 

「失行」とは、

身体は動くのに服の着方がわからない、

手は動かせるのに鍵が開けられないなど、

身体的な運動能力としてはできるはずの行為について

そのやり方だけがわからなるのです。

 

 

「失語」は、

脳の言語野に起因する障害です。

失語といっても単純にしゃべれなくなるというよりは、

さまざまな症状があります。

 

 

たとえば言葉の数が少なく、

言いたいことを長い文章にできなかったり、

目の前にある物の名前が思い出せなくなったり、

文字としては読めるが意味がわからない、

漢字だと書けるのにひらがなだけ書けない、

計算ができないなど、

非常に不思議な現象です。

 

 

 

「失認」は感覚器としての認識力は残っているのに、

意味の把握ができなくなるものです。

 

 

つまり人がいることには気がづいているのに、

それが誰なのかや、

なにをしているのかといった、

状況を読み取ることだけができにくくなります。

 

 

たとえば知り合いが挨拶に来たのに、

誰か知らない人がやってきて悪さをするのではないか、

と疑ったりしてしまうのです。 

 

 

これらの中核症状がまずあり、

そこから派生して引き起こされるさまざまな

周辺症状(行動・心理症状 BPSDともいわれます)があります。

 

 

■周辺症状 BPSD とは?

 

 

たとえば、

 

抑うつ、

幻想・妄想(もの盗られ幻想、嫉妬妄想など)

着衣失行(暑いのに重ね着をする、手順がわからなくなるなど)

睡眠覚醒リズム障害、

失禁

食行動異常、

収集癖(ゴミを拾い集めてくるなど)

徘徊、暴言・暴力・攻撃性(大声を出す、暴力をふるう)

介護抵抗、

不安・焦燥

 

といったさまざまなタイプがあります。

 

 

また、認知症の不思議なところですが、

症状が必ずしも一定ではないという面もあります。

 

 

私の知人がとても似た症状だったのですが、

日によって、あるいは状況によって症状が大きく変化することがあります。

 

 

たとえば身近な人に対して症状が強く出て、

つまり家族や介護者の前ではいかにも周辺症状がみられるのに、

たまに会う人のまえでは正常にふるまえたりするのです。

 

 

あるいは初日の打ち合わせのときにはものすごく明晰であり、

流暢に話せてもいたのに、

その数日後に面談したら人が変わったようにぼんやりしていたり、

前回の打ち合わせで決めたことを全く覚えていなかったりします。

 

 

あるときはまともで、あるときは少し認知症気味、

というこうした状態は、

その人との関係の難しさを第三者にわかってもらいにくいという、

あたらしい問題をはらみます。

 

 

特に家族介護の場合は

「大変さがまわりに理解されにくい」

という副産物のような苦しみがあると思います。

 

 

ケアする人を支える社会的しくみや、

上手に外部の手をかりられる、ケアする者自身のリテラシーが

求められているのかもしれません。

 

 

 

本人の自尊心を保ちながら、

こうしたBPSDにどう対処するべきなのかは、

非常にむずかしい問題ですが、

まずはこうした認知症の特徴や起こりうる症状のことを

知ること、理解することが第一歩ではないでしょうか。